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「未来の自分へ向けて」ブログに刻む愛すべき日々
- インタビュー
- canaria
- 2008年のブログ開設以来、“オトナ可愛い”カジュアルコーデとわかりやすいおしゃれ理論で多くの女性から支持されてきたCanariaさん。2023年9月には自身初となるスタイルブックが発売され、そのおしゃれセンスにますます注目が集まります。
ブログを始めて実感「ファッションがいちばん好き」
16年前にアメブロを始めたのは確か、妹のすすめから。
「日記みたいな感覚ですごく楽しいよ」と言われて私も始めてみたんです。今みたいにSNSも豊富じゃない時代だから、発信はもちろん、コメントをもらったり、ほかの人のブログを見たりするのがとても楽しくて。どんどんのめり込んでいきました。
最初は料理ブログを目指して作った料理をアップしていたけれど、自分自身でレシピを考案することまではできなくて。
じゃあ私がいちばん好きなものって何なのかなと立ち返ってみたら、ファッションだったんです。そこからファッションブログの方向に舵を切りました。
ファッションをメインにしてからは、会社のトイレでコーデを撮ってブログにアップすることが日課になりました。お給料の大半は洋服か靴かバッグか……というくらいにお金を使っていましたし。
本当に自分でも驚くんですけど、可愛いものを見つけたときの行動力がハンパじゃないんです。これ!と思ったら、すぐお店に在庫を確認して、その日のうちに買いに行く、というくらいエネルギーが出るんです(笑)
ファッションブログを綴るようになってから、やっぱりファッションのことを考えているときがいちばん幸せだし、元気になるんだなって改めて実感しました。
その瞬間の気持ちは忘れてしまうものだから
ブログのとっても便利なところは、“あのときの私、どうしてたかな?”と思ったら、月別・年別ですぐに遡れるところです。例えば、10年前の今日は何をしていたかな?と思って調べると、「このときは頑張ってたときだったなあ」とか「そうそう、これにハマって楽しんでたんだ!」というふうに。忘れていた過去が写真とともに甦ってきて、とっても(ドキドキしますが)おもしろいです。
その瞬間の気持ちや感じたことって、その後も覚えているだろうと思っていても、意外と忘れてしまったりするんですよ。
私は当時から“未来の自分へ向けた日記”の感覚で書いていたので、ファッションのことだけでなく、その日起こった出来事や家族との思い出、小さい甥っ子たちの記録とかをよく載せるようにしていました。きっと、自分が60歳になって見返したときに、リアルに蘇ってくるものがあるんじゃないかなと思っています。
それにブログは、自分のなかのものを書き出すことでスッキリできる場所でもあって。私のブログには昔からの読者さんが多くいらっしゃるのですが、人生の節目節目やポロっと心境を綴ったときなどに、友人のように喜んでくれたり、応援してくれたり……。画面の向こうには、一人暮らし時代からの私をずっと見守ってくれている、古くからの友人のような方がたくさんいるような気がしています。
実際にどなたとも会ったことはないのですが、ブログを書いていなければ出会えなかった私にとっては、大切な出会いです。
ブログは自分の成長の証を残せる場
実はアメブロを始めたのが30代最後の歳で、そのときは「らすと30代ぴぃのおしゃれブログ」っていうブログタイトルをつけたんです。
歳を重ねてしまいやむなくタイトルを変えたんですが、自分でも“果たして何歳までいけるかな?”って思うんですよね(笑)
この先、自分のファッションはどんなふうに変わっていくんだろう、とか。そのときには今の読者さんが70代とかになっているわけだから、それはそれで発信していきたいな、とか。ちょっと実験的でもあるけど、そんなことを考えています。
これからブログを始めようと思っている人におすすめしたいのは、ちょっとしたことから発信していく方法でしょうか。今日食べたご飯、今日読んだ本、嬉しかったことなど、読み返したら自分でも楽しくなりそうなことを、少しずつでもいいので綴ってみる。ヘタだと思うなら伸びしろがあるということだし、それもまた過去を振り返ったときにネタになると思います。
自分の成長の証を残せる場所って、実はあまりない気がしていて。日記帳にしたってそこまで続けられないし、捨てちゃう可能性もある。ブログはいろんな人に見られてちょっと緊張するかもしれませんが、“ずっとそこにあり続けて、見られる”のって、貴重なことだと思うんですよね。自分へのタイムカプセルを埋めるような気持ちで残していくと、のちのちの楽しみになると思います。