美川憲一がブログを1年続けて感じた「うれしい変化」
2020年9月、74歳にしてAmebaブログを開設して話題になった、歌手の美川憲一さん。 YouTubeにも挑戦するなど、現在も年齢を感じさせない精力的な活動を続けています。 そんな美川さんに、Amebaブログをはじめてからの変化やブログを書くうえで心がけていることなどをうかがいました。 聞き手は、Amebaオフィシャルブログ担当で、これまで美川さんとともにブログと向き合ってきたAmebaエンタメ室室長・菊地良尚です。
- インタビュー
- 菊地良尚(きくち・よしたか)
- 2010年サイバーエージェント新卒入社。メディア広告営業、ゲームの広報・宣伝を経てAmebaへ。現在はAmebaオフィシャルブログ(芸能人・有名人ブログ)部門の責任者。
- 美川憲一 (みかわ・けんいち) 歌手
- 1946年、長野県出身。65年に歌手デビューし、翌66年に『柳ケ瀬ブルース』、72年に『さそり座の女』と次々にヒット曲を生み出す。NHK紅白歌合戦には26回出場。今年8月には約1年半ぶりに最新曲「こころに花を」が発売。
Amebaブログで若い人たちとの距離が縮まった
美川さんがAmebaブログをはじめられてから、約1年が経ちましたね。
今日まで更新を続けてみて、いかがですか?
SNSやブログって、良くも悪くも、読んだ方からの反応がはっきりしてるじゃないですか。
いいコメントもあれば、そうでないコメントもあるって聞くけど、意外と私のブログには、心が痛くなるコメントはないのよね。
本当に、応援のコメントばかりですよね。
皆さん怖がってるのかしら(笑)。いつもコメントを読んでありがたいなと思ってます。
Amebaブログをはじめてみて、何か変化はありましたか?
「美川さんのブログ読んでます」「ブログでファッション見てます」という若い方の声が耳に入ってくるようになって。直接、声をかけていただく機会も増えました。
街中で声をかけられるように?
そう。今まで、そういうことは全くなかったんです。
「美川憲一だな」って思っても、なんとなく近寄りがたいイメージがあったみたいで。
ブログを書きはじめたことで、声をかけやすくなったのかしらね。「ブログ見てます」とかって言われると、私もうれしくなって。
それは良い変化ですね。
あとは、ブログで書いたことが、Yahoo!ニュースに載ったりとかしてね。
そうですね。美川さんが初めて定食チェーン『大戸屋ごはん処』のお弁当を食べたことを書かれた記事は、すごく話題になったのを覚えてます。
そうやってたくさんの方に読んでもらえて話題にもなったのも、なんだかすごく嬉しくて。
最初にマネージャーからブログを提案されたときは「面倒だわ」って思ったんだけど、やってみたら、どんどんたのしくなったの。「このままじゃ時代に乗り遅れるわ」って気持ちではじめてみてよかったわ。
そう言っていただけてうれしいです。
本当に、Amebaさんのおかげです。菊地さんにもブログのいろんなことを相談させてもらって。
こちらこそ、ありがとうございます。美川さんは、最初に打ち合わせでお会いしたタイミングから、本当にフランクに接してくださって。2回目にお会いするときには、美川さんの私服までくださって、驚きました……!
最初に菊地さんにお会いしたときは、話しやすい方だなと思って。
ファッションも、私が着るような洋服が好きなタイプだわって感じたの。それで、今度何か差し上げようかしらと思っていたの。
まさに僕の好きなタイプの洋服でしたし、サイズもぴったりで。美川さんの優しさがすごくうれしかったです。
そうなのね。ご縁があってよかったわ。
遊ぶように、たのしんで。美川さんが考えるブログやSNSとの向き合い方
僕自身、美川さんのブログが本当に好きで、いつもたのしみに読ませてもらっています。
それで、ふと美川さんのブログならではの魅力に気づいた出来事があったんです。
そうなの?
Twitterでブログ記事の反応を見ていたら、「美川さんのブログを読むと、美川さんの声で脳内再生される!」って読者の方が言ってくださっていて。「だから、美川さんのブログはすんなりと入ってくるのか」って納得したんです。
自分が話すときと同じように書いているだけで、特に何も意識してないんだけどね。
特別意識していない部分でしっかり個性が出ているところが素敵だなと思います。
逆に、普段ブログを書くときに意識されていることはありますか?
たのしむ気持ちで書くことね。
だから「これはちょっとたのしめないわ」と思うことはやらないし、書かないです。
これはブログに限らず、他のSNSも同じです。何事も追い詰めてやるんじゃなくて、遊ぶように、たのしみながらやるのがいいんじゃないかと思ってるの。だからもちろん一生懸命なんだけど、どこかではたのしんでやってる。
なるほど。美川さんの何事もたのしもうとする気持ちが伝わるからこそ、読者の心も動くのかもしれませんね。
Amebaブログで2記事目として投稿された「何見てるのよ〜」というタイトルの記事があったじゃないですか。
GUCCIの店舗にいる美川さんをビル下からのアングルから、どんどん近づくように撮った写真が面白くて、個人的にすごく印象に残っています。
あの記事はその場でパッと思いついて、店舗から外にいるマネージャーに電話をかけて、撮ってもらったの。
「そこから上の方を見てみなさい。私いるから」って(笑)。
自分がたのしむだけでなくて、読者の方にたのしんでもらおうというサービス精神もすごいですよね。
今年始められたYouTubeチャンネルでも、攻めた企画をたのしんで挑戦されている印象です。
YouTubeはね、たのしくもあるけど大変よ。
足つぼマッサージのときは、本当に痛かったの(笑)。
激痛の足ツボマッサージにノーリアクションで挑む企画ですよね。美川さんは微動だにしなくて、全く効いてないのかなって思うくらいでした。
足ツボの先生にも、こんな反応しない人初めてだって言われたわ。「絶対に勝ってやるわ」って気持ちで我慢したんだけど、終わって素に戻ったら、すごく痛かった。
でもそうやって、それまで想像していた“大御所の美川憲一さん”とは違う一面を知って親近感を感じてもらえるのも、YouTubeやブログの良さですよね。
そうかしらね。だったらうれしいわ。
75歳にしてチャレンジし続ける美川さんが、次に挑戦したいこと
こうしてお話をうかがっていると、美川さんはずっと新たな挑戦を続けてらっしゃいますよね。
昨年はブログを開設されたり、ONE PIECEコラボしたLINEスタンプを発売されたり。そして今年はYouTube企画で激辛や食用さそりを食べられたり……。あれは衝撃でした(笑)。
そうね。挑戦をするにも、たのしむことが大切だと思うの。なにか面白いアイデアないかしら、ってよく考えます。
今後、ブログを通して挑戦してみたいことはありますか?
洋服のお買い物に密着してもらう企画はぜひやりたいわね。
あとは釣りやキャンプもいいな、と思って。
それは少し意外です…!美川さんのアウトドアファッションも気になりますね。
でも、アウトドア向きな服装は持ってないわ。
逆に、普段の美川さんに近いファッションを取り入れてキャンプと思えない格好をしたら、それはそれで面白いかもしれませんね(笑)。
ふふふ。スパンコールのついた服とかね(笑)。
でも、やりたいことは本当にいろいろあるのよ。
今はこの状況だけれど、フランスに行きたいの。フランスは、ファッションのメッカじゃないですか。私、年に2〜3回フランスに行ってた時期があるくらい好きなんだけど、ここ15〜16年は行ってないんですよ。
久しぶりに訪れたら、昔と変わっているところも多くて面白そうですね。
そう。だからちょっとね、気合いを入れてお金を貯めて行こうと思ってるの。
そのときは、パリでの過ごし方や買った洋服など、ぜひブログに投稿いただきたいです!
「歳を取っても変わらないわよ」長年大切にしてきた“感謝”と“夢”
それから今日は、美川さんと書道をするという、思ってもみなかった貴重な経験をさせていただきました(笑)。
Amebaブログでもよく達筆な字を披露されていますが、書道はいつはじめられたんですか?
実は、ちゃんと書くようになったのは、去年ブログやインスタをはじめてからなの。
私の育ての父が書道家で、先生をやってたんですよ。でも父からは教えてもらったことは1回もなく、自己流なんです。
それは知りませんでした。
やっぱり字っていうのは、その人の「人間性」みたいなものが出るじゃないですか。
それでいうと私はね、割と大胆に書くのが好きなのよ。
先ほども、筆の運びに全く迷いがありませんでしたよね。
ちなみに、今回書く言葉として「夢」と「感謝」を選ばれたのは、どんな理由があったのでしょうか?
どちらも、これまでずっと身近にあって、私が大事にきてきた言葉なんです。
まず「感謝」は、ステージでもよく言う言葉です。今だったら「大変な世の中だけど、人に優しく、感謝を忘れず笑顔で過ごしていきましょう」って。
夢を持つことも、すごく大切なことだと思うのよね。それは変わらないわよ、歳をとっても。自分の夢はあきらめないの。
美川さんは今も、夢に向かって努力されてるんですね。
そう。今も夢はあるんだけど、まだ内緒なの(笑)
それは気になるなぁ……。よければ、叶ったときにぜひ教えてくださいね!